SE の教科書 〜成功するSEの考え方、仕事の進め方

SE の教科書 〜成功するSEの考え方、仕事の進め方
SE の教科書 〜成功するSEの考え方、仕事の進め方

 最近の自分の中で新書ブームなので手に取った一冊なのだが、よくあるHOWTO本と思いきや、これがバグを少なくするにはどうすりゃええんよと考えてた自分には考えさせられる一冊だった。
 自分がやってきた仕事の中で1番バグが発生するシチェーションは現場での変更。そしてあたり前の事のことだが短納期が上げられる。ただ、これは自分の能力不足であることも事実なのだが、その前にこのシチエーション自体を無くすという発想がなかった。というかあきらめていた。
 これらのシチュエーションを無くす上での筆者が重要視しているのはコミュニケーション不足及びマネンジメント不足。仕様書を作成して「ちゃんと書きました」では済まずに結局は仕様変更となったりすることはよくあることだが、それ自体をなくするべき方法を提案している。
 自分も、仕様書を見てくれないから、仕様書もおざなりになってしまい、仕様書が読みづらくなり、仕様書が読みづらいから仕様書を見てくれない。という負のループにつながっているように思う。これらのことも踏まえて現場対応で直して結局うまくいった現場も数多いので、それが当たり前になっている部分がある。(注:うまくいくのは小規模のもの)
 マネンジメント不足に対する言説がとても考えさせられたので引用。

 問われる経営者の責任
 突き詰めていくと、プロジェクトが失敗する原因の多くは、かなり直接的にその組織の経営者にあるといえます。たとえば、できるかどうかもわからないような開発を受注して、社員に無理矢理やらせている経営者や、顧客がいくら理不尽を言っても交渉に行かない上司、そして数字だけを見てその上司を「よし」としている経営層等、例をあげればきりがありません。上司が嘘をついて受注したのに、謝りに行くのはなぜか実作業者だったり、あげくの果てには「それが仕事というものだ」。(P68)

 このあとにプロジェクトマネジメントはSEよりも経営者やプロジェクトマネージャなどのSEの上位者がより勉強する必要があると説く。そしてそれは現実的ではないので、他の「現実なこと」で置き換えられるが成功させる大きな要因と言っていて、さらにできるSEもしくはプロジェクトマネージャはたいてい上位の人々に動いてもらうかを、常に考えていると言っている。
 ここが悩み所なのだけど、そもそも短納期ってのはよくあるものと思っているけれど、それを上位の人々も思っているので、短納期でも簡単に仕事を受けてしまう傾向があり、顧客もそれを知っていて短納期で普通に頼むというまた負のループが発生しているのだから、ちょっとどうにかならんかなと考えている。最近、忙しくて短納期のものはやむなく断わり続けていることがプラスにならないかなとほのかな期待はあるのだけれど。