ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人

ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人
ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人

 SEの教科書を読んで読みたくなったこの著書だが、いくらかこの本のおかげで自分の修正するべきところが見えたのでよかった。
 ソフトウェア開発で伸びない人の章で、自分に当てはまるかなと思えた部分が「解決策偏重」と言う項目で、技術習得を躍起になってやるのだが、その技術の世間一般に言われているうたい文句以外の自分の評価を持っていなかったかなと。あったとしてもこの辺が面倒とかやりづらいとかの操作性とか他の技術との作業面での優越を考えていただけだった。開発するシステムに対してこの技術はどのように役に立つのかなど考える必要があった。その辺りを踏まえ、新しい技術がシステムに対して役に立つかを考慮が足りず、システムをいかに作るかにばかり目がいってしまい、その後の保守性、拡張性などの考慮が足りない傾向の修正が必要だと感じた。
 ソフトウェア開発で伸びる人の章で、言語力、人との関係などまだまだ磨かなければならないなと思える項目がある中で、構造力が特に足りないなと感じた。システムをいくつかの機能に分けて、それを積み上げるような作り方をしていた部分があったかなと。よく難しい問題があった場合に、その問題を分解して細かい問題として1つ1つ解決するといいと言ったことを聞いたことがあると思うが、システム全体を難しい問題と捉えて、小さな問題(機能)を一つ一つクリアするような作り方をしていた。各機能の相互関係を踏まえ構造していく能力が足りないように感じた。
 この本の良いところは、いくつかの問題点を教えてくれた上で、その部分を見直すための推薦図書を載せている所なのだが、解決策偏重と構造力については本の推薦がなかった。
だが、本の推薦は無いものの「保守」への考慮とその経験が重要としているかと思う。現場に行けと。現場経験が足りないと考えていたので「結局はそこかぁ」と感じた。
 1部はソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人だが、2部はソフトウェア開発で幸せになれる人、なれない人となっている。これは昨今注目のキーワードとなりつつあるライフハックがこんなことを教えてくれるのかなと思った。
 最後に著者があとがきで引用している文を引用したいと思う。自分は毎年今年の目標を元日に書初めにしているのだがその目標をあらためて思い出させてくれた。以下は引用の引用になるのかな。どうぞ。

まじめに努力していくだけだ。これからは、単純に、正直に行動しよう。知らない事は知らないと言おう。出来ない事は出来ないと言おう。思わせ振りを捨てたならば、人生は以外にも平坦なところらしい。磐の上に、小さな家を築こう。
 太宰治「正義と微笑」

最後の部分はよう分からん。